残念なことにコロナウイルスの影響で、2020年の東京オリンピックの開催が、1年程度の延期になってしまいました。コロナウイルスが早く終息して、無事に開催されることを祈るばかりです。
さて、前回の続きです。
東京オリンピックの開催が、経済効果をなど社会に与える影響は、数多くあると考えられています。
スポーツの世界では、昭和のオリンピック後は、社会人や企業スポーツが盛んになり、サッカーやバレーボールなどの日本リーグが生まれました。また、学校の部活動だけではなく、体操教室やスイミングスクールなど民間スポーツクラブなどができて、社会体育の普及が始まりました。令和のオリンピック・パラリンピック後は、障害がある方も健常者と一緒になってスポーツを楽しむ時代になることが期待されています。
実際に2020年東京オリンピック後に、「する」「みる」「ささえる」スポーツは何が変わっていくのでしょうか?今回は、これらについて考えてみたいと思います。
まずは、「する」スポーツです。
「する」スポーツは、日本代表戦が活躍した種目や盛り上がった競技の影響で、新たにスポーツを始める方の需要が見込めます。東京オリンピックで新しく採用された新種目は、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの計5競技は、優勝などの活躍が見られれば、一気に普及のチャンスだと思われます。
パラスポーツの中で、特にメディアの露出が多くなっているボッチャは、健常者のスポーツとしても、広がっていくのではないかと期待しています。その中で、スポーツがあまり得意ではない方でも楽しめる競技として、普及されていくのではないかと思います。健常者と障害者が真剣勝負を楽しむスポーツ種目が、本格的に出てきてもおかしくないと思います。
ボッチャ
平成30年度横浜市民スポーツ意識調査によると、過去1年間の運動・スポーツ実施率は76.2%で、「週に1日以上」の実施率は56.3%、「週に3日以上」の実施率は28.9%となっています。
横浜市スポーツ推進計画の目標では、週1 回以上のスポーツ実施率が65%程度、週3 回以上のスポーツ実施率が30%程度となることを目指していますが、まだその目標には達していません。
週1回以上スポーツをする人が半分、後の半分はまったくやっていないか、たまにやるというふうに、スポーツをする人、しない人は、二極化傾向にあるようです。
やらない人は、興味がない、やる気がない、時間がない、お金がない、機会がないなどの理由ですが、この方たちを、週1回以上スポーツをする生活に変わっていただくには、至難の業といえます。まず、スポーツをする体験をしてもらい、それをきっかけに日常生活に少しずつ変化を求めていくことが、セオリーといえます。
そう考えますと、今までやっているようなスポーツ推進活動を地道にやっていくことが、一番効果があるやり方だと思います。そこのところは、オリンピックの開催前も後も大差ないと考えます。
<運動・スポーツを実践していない人へのアプローチ>
1 運動・スポーツによる健康の維持増進による効果の啓蒙
病院や保健福祉センターなどの医療機関やスポーツセンターなど健康増進施設から、運動・スポーツをすることにより、ロコモ・メタボの予防対策及び治療となることを認識いただく。
2 文化行事との連携
ショッピングセンターや展示会、地域のお祭りなどスポーツと違う分野のイベントにおいて、運動・スポーツに触れ合う機会をつくり、興味を広げていただく。
3 ウォーキングの推進
人間が生活する中で、歩行は人に頼ることなく身の回りの世話ができるために必要な能力である。この能力が運動の基本であり、維持増進することの大切さと、毎日8,000歩の歩数を確保することを推進していく。
散歩、ウォーキング、横浜市が行っている「ウォーキングポイント」、ウォークラリー、歩け歩け運動を実践する人を増やしていく。
4 ゆる~いスポーツや軽スポーツによる楽しみ方
大した技術も体力使わず、お金もかけずにできる気軽なスポーツを普及していく。
5 体力テストの結果から自分を見つめ直す
体力診断や体力テストを実施する機会を通して、自分の衰えを知ることで、運動・スポーツの重要性を知り、行動していただく動機づけにする。
次回は、「みる」「ささえる」スポーツの東京オリンピック後の今後を考えていきます。
《その3に続く》
令和2年3月27日